地と水の絆 〜7
三日…
レムリアからここへ飛ばされて三日たったことが信じられない。
…おそらく『三日くらいだろう』という予想ではあるが…
「…シア、ガルシア!!!」
「…!!」
ロビンに声をかけられて初めてガルシアは目を覚ました。
横になっていた体を起こし周りを眺める。
月が赤に染まった日…休憩を取った場所と同じところのようだ。
「…レムリアじゃ…ないな」
ガルシアがぼそっと呟く。
それに対してロビンが答える。
「ピカードが…まさかテレポートのラピスを持っているなんて思わなかったからな…」
「…?ピカード以外…全員ここに転移されたのか…」
今度は体全体を起こす。
二本の足でその地を踏む。
「今後のことを考えよう…ピカードの事も心配だが
どうレムリアに乗り込むも考えないといけない…」
その言葉にロビンはうなずく。
「わかった、ガルシア
みんなを集めてくるよ、そして話し合おう」
そしてロビンは他のメンバーを収集しに行ってしまった。
ロビンがいなくなった後…ガルシアは空を仰いだ。
空に赤い月は見られない。
青い空がどこまでも広がる。
「心晴れない天気…だな」
そしてガルシアも仲間の元へと歩いていった。
…コツン、コツン…
「リレイク様」
誰かによって紅く重々しい扉が開かれる。
それに…リレイクはすぐ気がつく。
「フルードか…どうした?」
「ファウナッハ様は…お目覚めになったのですか?」
そしてその問いに笑いながらリレイクは答える。
「…まだだ、まだ足りない」
――――――――彼女の身体を作る為の材料が足りてない…
――――――――”絶望”という名の材料がな…
ガルシアは先日休憩を取った場所へ戻った。
ロビンが全員に声をかけてくれたおかげで
集合は完了…しているかに見えた。
「…ジャスミンはどうした?」
ガルシアがそう問う。
傍に立っていたロビンが答えてやる。
「…連れてきてくれないか?ガルシア…
そこの…少し森を入った所にいるから…」
それを聞いてガルシアが少し顔をしかめる。
それを見ていたメアリィが言葉を足す。
「ショックだったみたいなんです
ピカードがあの空間に残されたのは自分のせいだ…って
ずっと…一人で泣いているんです」
「……」
何の言葉も話さずにガルシアはジャスミンの元へと歩みを進めた。
切り株の上に頭を下げ、座っている。
「ジャスミン…」
「……」
自分の兄の存在に気付いたのかジャスミンはそっと顔をあげる。
「に…いさんッ!!」
座っていた切り株から立ち上がり兄にしがみつく。
「おい、ジャスミン…」
「兄さん!…私が…私がッ!!!!」
しがみついても尚、涙を流し続けている。
ガルシアにしがみつき、離れず…
ただ泣き叫びながら今のこの時を悲しんでいる。
「私が行かなければ…そうしたらこんな事にならなかったのにッ…
レムリアでだって…石はこの手にあったのに…
止められなかった…それで発動して…ピカード…は…!!」
すっ…
ガルシアは今自分の目の前にいる妹の頭をかかえて抱きしめてやる。
「…お前だけのせいじゃない…」
兄の行動に少し驚いたのかジャスミンはやっと顔をあげる。
赤いその瞳を更に真っ赤にしてしまっている。
「にいさん…?」
「お前だけのせいじゃない…だから一人で抱えなくていい…
お前はお前のままでいいんだ…」
ジャスミンは兄の眼を見る。
不思議な色をしているその眼は何か哀しそうに…
そしてその眼はジャスミンを見ず遠くを眺めていた。
憂いているのが…わかる。
「兄さんも…悔いているの?」
――――――――――連れて来れなかったのは…オレに力がなかったから
――――――――――だから悪いのは…オレだ…
「兄さんも…ピカードが心配なのね…?」
「仲間を心配しない仲間が何処にいる?」
ジャスミンが腕を伸ばし、ガルシアから離れる。
そしてガルシアを見て…言った。
「行くわ、行動しないと何も変わらないもの」
そんなジャスミンの様子をみてガルシアは少し安心する。
「やっと、元に戻ったな」
「…ずっと、いじけてなんかいられないもの
私は…私が出来る精一杯のことをする…それでいいでしょ?」
「ああ、みんなお前を待ってる…行くぞ」
ガルシアがマントを翻し、ロビン達の元へ戻る。
ジャスミンもそれについて歩いていった。
「なあ、ロビン…あれかどれくらい経ったと思う?」
「ジェラルド…そうだな、三日くらいだと思うけどな…どうして?」
「いや…あいつを一人にしちゃったな…ってさ」
「ピカードか…無事でいるといいんだけどな…」
がさっ
全員がその音が聞こえた方を向く。
「ガルシア、ジャスミン!ジャスミン、もう大丈夫ですか?」
…とイワン。
「うん、ごめんなさい…迷惑かけちゃった…」
そしてメンバーが全員揃ったのを見てロビンが声をかける。
「作戦会議といこうか!ピカードを助けに行く為の」
そして彼らは三日前火を焚いたところを中心に円となる。
「まずはレムリアにいかないといけないわよね?
テレポートのラピスで飛べば今からでも行けるんじゃない?」
「そうですね、シバ…僕もそう思いますけど
…ジャスミン、今石はどうなんです?」
とシバとイワンの提案を聞いて
ジャスミンがおもむろに道具袋に手をかけ、蒼い石を取り出す。
「…ムリなの…あの日にピカードがエナジーを吹き込んだじゃない?
そのせいで石が発動してくれないの…
普段を考えると、とんでもないエナジーの量だったからなあ…」
「もう使えないってことですか?」
「多分使える…でも今は働いてくれないわ…
もう少し時間を空けないと…」
すっ
ガルシアがその場に立ち上がる。
「それなら…やる事は1つだ」
ガルシアがそう言い、みんなも腰をあげる。
「えぇ、船で行くしかなさそうですね」
「じゃあ、すぐ出発しよう…レムリアに向かって!」
そして一向は平原に停めたままになっている船へと足を進めた。
これから…何が起こるのかもわからずに…
=続く=
すご・・・前回の更新から4ヶ月たってるよ・・・誰がこの話覚えてるんでしょうね?
にしてもいつもに増して読みにくい文です…この頃小説断ちしてたので。
授業中に書いちゃだめですね、支離滅裂ですよ〜文章。
連載さんはまだまだ続きます。
次回ピカと再会します。そこらへんも出来てるので時間が合ったらすぐ投稿できそうです〜。
ピカと再会・・・やっと描きたいトコまで来ました〜。
掲示板とかメールとかで感想とか頂けたら嬉しいです〜。もう頑張ります!!終わり目指して!!
2004・01・18
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