地と水の絆 〜12
あかるい…そら
よるなのに…あかるくて…
つきのいろは?
つきって…あかかったっけ?
…そしてそれがここに…やみを…つきおとした…
「…」
静かに金の目を開く。
正面を見ればそれは天井…
「あれ、おかしい…な」
額に手を当てて思い出そうとする。
ボクは外に飛び出していったはずなのに…
それで…アレクスにあって…それで、どうしたっけ?
「目…覚めた?」
聞き覚えのある声。
ベッドの反対側の窓の方から声がする。
ピカードはゆっくりと身体をおこし、その人物が誰か確認する。
「シバ…」
所々に巻いてある包帯が痛々しい。
「随分眠っていたわね…おなかの一つ空いてるでしょう?」
…と手に持っていたりんごをピカードに投げる。
「あ、ありがと」
何日も動いていなかったせいか消耗は激しくない。
シバの言うとおり…ずっと眠りこけていたのだろう。
もらったりんごにかぶりつく。
何日も食べていなかったせいでお腹は空いていたので
その小さなりんごをあっという間に食べきってしまった。
美味しそうにりんごを頬張っていたピカードをシバがまじまじと見てくる。
「…シバ?」
「よかった、いつものピカードね」
その言葉を聞いたピカードが厳しい表情になる。
「…何で…連れて帰ってきたの?」
「…なんでだと思う?」
「ボクが何をしたのか…わかっているでしょう?
ボクは、みんなと一緒にいる権利なんかないじゃないか」
そう冷たく言い放つ。
しかしシバはそれを肯定しようとはしない。
静かに口を開く。
「それは…」
シバの言葉が一度止められる。
そして続く。
「ガルシアが決める」
「…!!ガルシア、大丈夫なんですか!?」
ガルシアの安否について何一つ知らないピカードは驚きの声をあげる。
「えぇ、そして…目覚めたあなたを待ってる」
「…ボクを?」
―――――――――――どれだけ…地を血に染めれば気が済む?
―――――――――――何がお前をそうさせた?一体何があったというんだ?
覚えてる言葉の一つ一つ。
心はその場にあった。
でも…その心の弱さのせいで…あの惨事を止められなかった。
「うん、わかった…ガルシアのところに入って来ますね」
そういってピカードがベッドから立ち上がり部屋から出て行こうとする。
「待って」
「?」
シバが小さく折りたたんだ紙をピカードに手渡す。
「部屋の番号よ…」
それを受け取ってピカードは少し笑った…
「ありがと」
そうしてピカードは部屋を後にした。
…しばらくしてからその部屋へ訪問者がやってくる。
ノック音がしたのでシバは扉を開け、訪問者を招きいれた。
「シバぁ〜」
「何…?二人とも」
扉の前にいたのはロビンとジェラルド。
どうやらピカードがいなくなるのを待っていたらしい。
「どうしたの?」
そうシバが問うと、ジェラルドがこう答えた。
「読んだか…?」
「何を」
「リードだよ、リード
そのためにここにいたんじゃないのか??」
ジェラルドはそんな感じで言ってくる…が
シバは一息ついてから、目を閉じた。
「…読むわけ…ないでしょう?」
あたりは静まり返る。
「何を抱えてるか、なんて覗いちゃいけないわ
それはいつか話してくれるかもしれない…
なのに…無理に心開かせるのは…酷いことだわ」
ジェラルドは口を紡ぐ。
そしてロビンが口を開く…
「シバは…傍にいてあげたかったんだろ?」
シバが緑の目を開く。
そして少し笑いながら返してやる。
「いえば、宿のおばさんに美味しそうなりんごもらったからあげたかっただけよ」
―――――――――――少しは怖かった…けど
―――――――――――私は信じるって決めたから…
―――――――――――そしてピカードは…
―――――――――――優しかったから
「後はね、任せることにしたの
私じゃ何もできないから…」
そういってシバは窓の方へと足を進める。
窓から見える今日の空は明るい。
何日も雨が続いていたが今はよく晴れている。
「今日はいい天気ね」
「はあ?」
いきなり本題から離れた話にジェラルドが突っ込むが…
「そうだな」
とロビン。
――――――そうだ
――――――いつまでも
――――――終わりのない談義を続けても意味はないじゃないか
→続く
いつまでも佳境に入らないこの話(笑)
ホントはここで終わりじゃなかったんです。
これの次…ガルシアとピカードのやり取りまでを12話にしたかったんですが
ちょっと長いしおかしい気がしたのでここできりました。
にしても終わり方おかしいだろ(笑)
ジェラルドさんは…ごめんなさい。
絶対ジェラルドファン敵に回してる話だよぅ。
扱いが難しいです。
でもこれが私のジェラなんだ〜なんかおばかなのがジェラなのさー!!
というわけで13話はガルシア&ピカードの話です。
そしてそれの次(予定だけど)やっとこさ過去編かな!
何話で終わるか未定ですが…
待っててくださったりすると嬉しいですw
2004・11・05 投稿して なぜUPが 2004.12.13なんだ・・・(笑)
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