地と水の絆 ~1
レムリアの人間を探せ…
かつ黄金の瞳を持つ者を…
多少の怪我は問わない
見つけ次第…捕獲するのだ。
「ここらで休憩しようか」
一行が森の中を歩いている時、ロビンがみんなにそう言った。
その声を聞いて誰もが気を楽にする。
「やーーーーっと休めるのね」
赤い髪の少女…ジャスミンが近くにあった岩に腰を掛けながら言う。
そう、彼らはずっと歩き通しでモンスターと戦っていたのだ。
”疲れてなんかない”と言える元気な者などいなかった。
『レムリアの船』で移動するにもエナジーを消耗するため疲れは一向にとれない。
限界といえば限界だったのだろう。
「そうだな」
ガルシアが遠くの方を眺めてからロビンのその意見に賛成した。
空は赤く燃えている。
今から漆黒の闇に飛び散る星が見えるようになるのだろう。
「暗くなってきたな…今日はここらで野宿にしよう」
そうガルシアが言うと皆その意見に賛成し準備を始めた。
まず薪を集めて火を起こす。
そして水を汲んできて、それを火にかけ湯を沸かす。
そして彼らは夕食の準備を始めた。
「兄さん!!コレどうすればいーの?」
「…ジャスミン…普通スープに獣丸ごとは入れないだろ…」
「えっそうなの??」
「・・・・・」
毎回毎回料理になるとガルシアが中心となる。
このメンバーで1番料理が上手いからだ。
テキパキと無駄のない動きで次々と料理を作って行く…。
「あとは…何を作ればいいかな」
目の前には即席とは思えないほどの料理の数々が並ぶ。
それでもまだ作ろうとしているガルシアにメアリィが声をかける。
「ガルシア、もうこれくらいでいいんじゃないですか??」
「…作りすぎてたか」
しばらくしてたくさんあった料理が跡形ものなくなり
それぞれがそれぞれでくつろぎ始めた。
ちゃんと後片付けは終わっている。
みんな焚き火の周りに集まり…身体を休めている。
…とガルシアはその時”あること”に気付いた。
「ピカードが…いないな」
食事中の時は確かにそこにいた。
ただ…表情がいつもより暗かったが…。
すっ
ガルシアは腰をあげる。
「あれ、兄さんどこに行くの??」
「探してくる」
「え?」
「ここにいろ、すぐに戻るから」
そしてガルシアは6人をその場に残し深く暗い森へ入って行った。
空に星が散り始める。その中ガルシアは暗い森の中足を進めていた。
『どこいったんだか…あいつは』
―――――――さっきの食事の時から様子がおかしかったのは知ってる。
―――――――少し…心配だ
エナジーの波動を追う。
いつもピカードを探す時はそうやって探す。
今日は…そう遠くへは行ってない様だ。
水の力が…間近に感じられる。
エナジーだけを頼りに森を進んでいるといきなり視界が開けた。
その景色に…ガルシアは目を奪われた。
【いつもとあからさまに違う赤い月】
【そして…落ちたら命を落すと思われる崖】
そこに…ピカードは立っていた。
がさっ
草を掻き分けガルシアはピカードの元へ行く。
そしてその音に反応してピカードが振り向く…。
「…? ガルシアよく見つけましたね」
「水のエナジーを辿ればすぐ見つかる…」
「なるほど、いつもガルシアにはすぐに見つけられちゃうなあ」
先ほど見た暗い表情とは違いピカードは明るく笑っていた。
ただ…それも何かをごまかしているように見える。
夜の心地よい風が吹く。
少し冷たいが…とても気持ちがいい。
その風にガルシアが浸っている時…ピカードの表情が食事中のあの暗い表情になっていった。
ガルシアは…それにすぐに気がついた。
「今日は…一人で何を考えていたんだ?」
「!!!!」
それを聞いてピカードが驚く。
「…何でもわかってるんですね…
やっぱり何かを考えるのだったら…一人がいいかなと思ったんですけど…」
「ガルシア…聞いてくれますか??」
「ああ」
この二人は昔ある約束をしている。
『自分一人で何もかもを背負わない』という事。
そしてピカードが静かな口調で話始める。
その間も…赤い月が全てを照らす…。
「とても…嫌な予感がするんです…
あの赤い月もそうですけど…もっと根本的な何か…
そう…何かが起こるような気がするんです」
「・・・・・」
「不安なのは間違いないです、いつもと同じで一人になる事を恐れている・・・
でもそれとは…違うんです」
ガルシアは空を仰ぐ。
確かに今日の月はいつもと違って赤い。
いつもはもっと優しい色をしている。
空が何かを警告しているのかもしれない…。だから不気味なほど赤い月なのかもしれない…。
―――――――― 一体何が起こるというのだろう?
『捕えよ、二人とも一緒に…』
空間が裂ける。その空間から水が現れる。
『捕えよ…』
「!!!!!!」
ガルシアがその水に気付きピカードを突き飛ばす。
「な…ガル…シア?」
当のピカードは今何が起きているのかわかっていない。
だんだんと目の前に異空間が作り出されて行く。
空間から見え隠れしていた水はだんだんと大きくなっていく。
普通のテレポートとは違う物…
その中から黒いローブをまとった男が三人現れた。
フードを深く被っている為、顔がはっきりとはわからない。
その者達は手に光をまとっていた。
さっき見えていた水の正体…
「エナジスト!!!?」
やっと状況が飲み込めたのかピカードが叫ぶ。
「予定外もあるが…二人を捕えよ!!」
「!!!」
ローブの男の一人が自分の手から水のエナジーを放つ。
そこにある崖が崩れるかもしれないと思うほどの強い威力。
それをガルシアとピカードは紙一重で避ける。
爆発音は…遠くまで響いた。
~続く
今回の野望…連載をやってみたかったんです。
今回は長くなる予定です。一応黄金の太陽攻略大全の物書きに投稿してますけど
投稿していいのかって作品になりそうです。後日裏にもUP予定(挿絵入りだと豪華かも・・・
相変わらず描写できません。台本書きになってしまうんです。悲しい…。
2003.08.14
← →
|